日本語の変容と乱れ3
引き続き日本語の間違っている使い方です。
いつ頃から使われ始めたのか?忘れてしまいましたが、食事に行った際や買い物をした際に店員さんが~でよろしかったでしょうか?と聞かれた事があると思います。
私の様な江戸っ子だとこの言い方は、標準語に聞こえなくてとても違和感のある言い方です。
まぁ江戸弁と標準語とでは違いがあるのですが、東京弁と標準語はかなり近いものがあるので日本橋の蠣殻町生まれの私としてはこの~でよろしかったでしょうか?と言う聞かれ方は非常に違和感があるのです。
この~でよろしかったでしょうか?と言う聞き方ですが、私の記憶では昭和60年の後半くらいから東京でもちらほら使われ始めた様に思いますが、私が何故違和感と覚えたのか?と言いますと少し細かい様ですが「~でよろしかったでしょうか?」は過去形の表現となってしまうからなのです。
正しい使い方は、現在形の「〜でよろしいでしょうか?」が正しいと思います。
例えば美容室での場面では、カットで来店されたお客様に「今日はカットでよろしかったでしょうか?」はおかしな日本語なのです。
「今日はカットでよろしいでしょうか?」とがと言うように気をつけましょう。
次も食事に行った際に店員さんが聞いてくる言い方なのですが、ご注文はお揃いでしょうか?
この言い方にも違和感があります。
ご注文がお揃いになるとはどういう意味でしょうか?
ご注文は品物ではありません。
ですので、正しくは注文した料理が揃っているか?と聞かなければおかしな言い方になりますので、「ご注文の品は以上でしょうか?」「ご注文の品はすべて揃っておりますでしょうか?」というように言えるのが適切です。
あるレストランに妻と出かけた際に店員さんが「以上で注文はお揃いでしょうか?」と聞かれたので「ご注文は注文していませんよ」と答えたら、キョトンと固まっていました。笑
前回に引き続き間違っている日本語の使い方です。
今回は、どちらにいたしますか?とご来店いただきましてありがとうございました。と言う間違った日本語です。
まずは「いたしますか?」と言う聞き方ですが、実はこの「いたしますか?」は動作を行う人を下げて表す謙譲語(けんじょうご)です。
謙譲語とは?
敬語の一種。その動作や状態の主体を,相対的に下位にあるものとして示す単語や語法。
敬語の一種ではあるのですが、お客様を下げてしまうことになるので使うのは避けましょう。
正しくは「どちらになさいますか?」が正解です。
次に御来店いただきましてありがとうございました。と言う言葉です。
一見何が間違っているの?と思われる方もいらっしゃるのでは?
この言葉は、お客様にお店に御来店くださった時にお礼をする時の言葉ですね。
さて何がおかしいのか?と言いますと「ご来店いただき」という言い方では、こちらがお願いしてお店に来られたという意味になってしまいます。
お客様がお店に来るのは、お客様ご自身が自分でお店を決めて来店しているのです。
ですから、正しい表現は「ご来店くださいましてありがとうございました」が正しいお礼の言葉となります。
間違っている日本語の使い方は、まだまだ沢山あるので皆様もご自分で間違っている日本語探しの旅をされてみては如何でしょうか?
正しい日本語。
これも大切な美意識です。