日本語の変容と乱れ
引き続き美意識について書いていきますが、今回からはここ数十年前からとても気になる日本語の変容と乱れについて書いてみます。
皆様は、最近日本語がおかしいと思う場面はありませんか?
まぁあったとしても、さほど気にならないし言葉として意味が通じていればそれでいいんじゃなぁ~いでしょうか?
勿論、会話をする上で一番大切なのは言葉が通じる事でしょうから意味が通じれば何も問題はないでしょう。
しかし、問題はなくても美意識で捉えると少々勝手が違ってきます。
美意識で捉えるなら正しい日本語をきちんと使えることが大切なのです。
正しい日本語を身につけて話すことは美しいですし、相手の方に知的な印象を与える事にもなります。
但し、正しい日本語を身につけて話すことはケースバイケースです。
親しい友人にいくら美しいといってもお宅訪問した際に、「本日は、お招きに預かりまして恐悦至極に存じます」なんて挨拶すれば、言葉の使い分けのセンスがない人になってしまい、結果的に美意識ではなくなってしまいますよね。
更にこんな場合はどうでしょうか?
正しい日本語で喧嘩をしてみる。
最近車の煽り運転が問題になっていますが、この時の両運転手の言い争いを正しい日本語でやってみるのです。
煽られていた運転手「すみません、誠に恐れ入りますが先程から貴方様の所持されているお車が、わたくし所有の車の後部方面からお近づきになられて、車同士が接触してしまうのかと思われる程に大変近くまでお近づきなられるものですから、わたくしとしましても万が一、もしも交通事故に繋がった場合には、あなた様とわたくしの間で望んでいない事象等が起きる可能性があると思われますので、もう少しあなた様所有のお車とわたくしの車との車間距離を取って気持ちよく走行する事をご提案申し上げたいのですが、貴方様のご意見を賜れますでしょうか?
また、もし悲しい現実ではありますが、最悪の結果車同士の接触によりまして、事故と言う事象になった場合には、所管の警察署の巡査様等にもご足労願いご迷惑をおかけする事にもなりますし、お互いの保険会社の担当者様にも大変な尽力と貴重な時間を使わせて頂く事にもなりますし。
どうですか?
伝えている相手のドライバーは笑ってしまうか、口をアングリ開けてポカーンとするかもしれませんよね。
でもこれによって暴力沙汰にならずに解決したなら、これも美意識の勝利ですね!
ですので、言葉の使い方はセンスも関わってきますが、このセンスとは一体何を指すのか?分かりにくい言葉の一つですね。
センスとは?私なりの説明をさせて頂くなら、千の素養が千(せん)素(す)だと捉えています。
つまり、ふだんの練習や学習によって身につけた技能や知識、たしなみが千(せん)備わっているという事です。
ですので、センスを磨け!とかセンスを高めろ!とか言われたら、または自らがセンスを磨きたい!センスをあげたい!とかを希望されるのであれば、日々経験値を積むと言う学習が必要になります。
知識や経験の蓄積によって「美意識」は磨かれていく、ということなのだと思っています。
美容師であれば美容師のわすれものを熟読すると、千までとは言わなくともかなりの素養は身につきます。
それはサトリゴールドラベルでお伝えさせて頂いた通りです。
不足している技能や知識を身に着ける事もセンスアップになるのですから。
まぁセンスについて書き始めると今回の正しい日本語からどんどん遠ざかって行くのでこのへんにしておきますが、また機会があればセンスについても書いてみたいと思います。
では次回から一般的に間違っていると思われている日本語の例をあげて解説してゆきます。